業務が効率化するのはもちろん、プログラマーの視点で業務の改善点が見えるからです。
今回は、「社員全員がプログラミングを習得できる方法」の続きです。
まだの方は、先にご覧ください。
前回に紹介した方法で、まるで核分裂のように、プログラミングができる社員が増えます。
一度学習の流れを作ってしまえば、あとは社員同士で教えあうことで、自然に増えていきます。
社員全員がプログラミングを習得することも、十分可能です。
しかしこの方法で学ぶ時には、ルールと言うか、いくつか注意点があります。
特に「伝言ゲームの罠」に陥らないように、気を付ける必要があります。
(1)教える内容を統一する
この方法では、教える人が下手だと、後半に行くほど意味が変わってしまいます。
例えば伝言ゲームでは、最初と最後で大きく意味が違いますよね。
伝言ゲームと同じことが起きてしまいます。
自称「できる人」は、つい自己流で教えてしまいがちですが、それでは最後まで伝わらないので、注意してください。
また、パソコンが得意な人から順番に学んでいくので、後になるほど正確に伝わらない可能性があります。
そのため、教える内容を統一する必要があります。
解決方法は、とても簡単で、最初の社員と同じように、この無料講座で学んでもらうだけです。
そして、わからない部分だけ、前の社員に教えてもらうようにします。
すると最後の人まで、意味がちゃんと伝わります。学習の質が保てます。
分からない部分だけを教えることで、メリットもあります。
教える側の社員の手間が省けるので、普段の業務への影響も少なくなります。
私が作った講座も完璧ではありません。
OSの変化やアプリケーションソフトのバージョンアップなどで、手順や画面が変わってしまうこともあります。
もしかしたらプログラミング初心者は、戸惑うことがあるかも知れません。
そんな時に、先に学んだ人が身近にいると、とても安心して学べます。
既に経験しているので、「ここはこうするんだよ」と、的確に教えてあげることができます。
(2)最初で教える順番を公開しておく
この方法では、事前に社員をパソコンが得意な順番に、一覧表で並べておきます。
年齢、性別、役職は、一切関係ありません。
パソコンが得意な順番に並べるのには、理由があります。
パソコンが得意な人は、自分より出来ない人から教えてもらうことに、抵抗感があるからです。
「本当か?」と疑心暗鬼では、学習が上手く行きません。
できれば最初で教える順番を、公開しておくとよいでしょう。
通常、会社では業務を「先輩 → 後輩」に教えることが多いです。
先輩社員がわからないことを、後輩社員に聞くのは恥ずかしいので、「後輩 → 先輩」という流れが、なかなかありません。
しかしプログラミングやデータベースは、みんな初めてだと思います。
だから先輩も恥ずかしがらずに後輩に聞ける、良いチャンスです。
これをキッカケに、わからないことがあれば(特にIT関連)、いつでも後輩に教えてもらう環境を作りましょう。
後輩も先輩に教えることが出来る、良いチャンスです。
先輩は「後輩から教えてもらうこともあるんだ」と事前にわかっていると、
日常の業務でも後輩に優しく教えてあげられます。
互いに助け合う関係が必要だからです。
この仕組みは、若手社員のアイデアを取り入れやすいので、企業の活性化にもなります。
新入社員や若手社員の視点で、業務の改善点を見付けることができます。
企業で長く働いている先輩社員には、盲点があります。
常識だと思っていたことが、実は間違っていることもたくさんあります。
若手社員達の意見が、ビジネスに反映されるようになれば、社内での風通しが良くなります。
また、縦横のつながりが密接になります。
(3)教える人が分からない時は?
もし教える側の社員が分からない時は、その前の段階の社員に尋ねます。
それでもわからなければ、さらに上へと戻ります。
通常の流れ
A → B → C → D
わからない時の流れ
A ← B ← C ← D
最終的には、最初に学んだ社員まで戻るはずです。
これは教えることに責任を持ってもらうためです。
最後には、私に聞いてください(笑)
この時、注意するのは、
もし「Dさん」がわからない場合、「Cさん」を飛ばして「Bさん」に直接聞かないことです。
教えてもらう時は、「DさんとCさん」が一緒に「Bさん」から習います。
そうしないと、誰が何を知らないのかが、わからなくなるからです。
(4)グループを分ける
2つのグループに分けることで、人間関係を考慮したり、グループで競争させることもできます。
A → B → C → D ・・・
A´→ B´→ C´→ D´・・・
基本的には、パソコンが得意な順番ですが、人間関係は、多少考慮しても良いと思います。
仲が悪い人が並ぶと、プログラミングの学習の流れが止まるためです。
そのため、2つのグループに分けると、調整がしやすいので便利です。
(5)人数が多い時は
人数の少ない会社なら、1~2グループで十分足ります。
1人が2人に教えると、10段階目では、なんと1,024人になります。
2グループなら、その2倍です。
普通の会社なら、これくらいで十分だと思います。
社員数が多い場合は、部署ごとに分けてグループ化しても良いでしょう。
そのほうが仕事の調整がしやすいかもしれません。
ただその場合は、部署を横断した画期的なアイデアは出難くなります。
せっかくの機会なので、部署を越えたプログラミングの学習をオススメします。