今、パソコンを普通に操作できる人なら、理系・文系に関係なく、誰でもプログラミングを習得できます。
例えば、Excelが普通に使える人なら、全く問題ありません。
ただし、業務系のシステム開発に限ってですが。
普通の会社なら、業務システムが作れれば、十分役立ちます。
今回は、社員全員がプログラミングを習得できる方法について、詳しく説明します。
理想的には、社員研修で、全員に集中して学んでもらうことです。
でも通常の業務もあるので、なかなか難しいと思います。
そこで、出来るだけ仕事に影響を与えずに、社員全員がプログラミングを習得する方法を教えます。
まず社員を、パソコンが得意な順に並べます。(一覧表にする)
この段階では、全員がプログラミング未経験でもかまいません。
パソコンが得意か、パソコンを使った仕事が好きか、などで順位を判断してください。
年齢、性別、役職は、一切関係ありません。
そして最初は、上位2人の社員(Aさん、A´さん)を選び、プログラミングを学んでもらいます。
このプログラミング初心者入門講座では、プログラミング言語やデータベース別に、無料講座をいくつか用意しています。
それを使って学んでもらってください。
会社では、Microsoft Access から始めると良いでしょう。
Access なら、業務システムの開発に必要なプログラミング言語と、データベースの知識が、一度に身に付きます。
集中すれば、1ヶ月くらいで Access は習得できます。
プログラミングの習得も、大事な仕事ですから、勤務時間内に学んでもらいます。
午前中は普通に仕事をして、午後からプログラミングを学ぶとか。逆でもかまいません。
または15時くらいから、終業時間まで学んでもらうとかでも良いでしょう。
学習スタイルは、会社によって決めてください。
どうしても勤務時間外の学習になるなら、「特別な手当てを出す」ことも考えてみてください。
社員のやる気につながりますので。
社員がプログラミング出来ることによる、今後のメリットを考えれば、これくらいは安い投資です。
それに社員のスキルアップは、一番確実な投資になります。
プログラミングが出来ると、ビジネスの生産性がアップするし、コストダウンになるからです。
無料講座でプログラミング言語とデータベースの基礎知識が身に付いたら、最初の二人に業務システムを作ってもらいましょう。
たぶん最初は、試行錯誤の連続です。
でも問題が出てきたら、少しずつ解決していくことでしょう。
その過程で、社員が成長します。
2人なら、相談しながらできるので、途中で挫折しにくいメリットもあります。
ここで大事なポイントです。
業務システムを、ただ作るだけではダメです。
人に見せることを前提に作り、評価してもらうと、上達が速くなります。
ある程度システム開発の経験を積んだら、今度はこの2人が、次の社員に教えます。
A → B → C → D
A´→ B´→ C´→ D´
最低でも「1人が1人以上」の社員に教えるようにしてください。
理想的には、1人が2人です。
そして次の社員へ・・・と「教えの輪」を広げていきます。
「Bさんと B´さん」が習得した段階で、「AさんとA´さん」は、通常の業務に戻れます。
最初に2人に学んでもらったのは、
・1人が挫折した場合の保険。
・お互いに教えあえる。協力できる。
・教える流れを2系統にできる。
という理由です。
私はこの方法で、プログラミングの学習を、15段階にまで広げたことがあります。
その時は人数が少なかったので、「1人→1人」だったのですが。
もし1人が2人に教えると、指数的に増えます。
10段階目では、なんと1,024人になります。
人は他人に教えると、理解が深まるメリットがあります。
自分がわからないと、人に教えられないからです。
教える過程で、曖昧だったところが、明確になります。
教わるだけでなく、次の人に教えることを前提に学ぶと、速く上達します。
また、最初は誰でも人に教えるのが苦手です。
だから1人が2人に教えることをオススメしています。
最初は緊張しますが、何度か人に教えると、要領がつかめるので、上手くなるからです。
しかしこの方法で学ぶ時には、注意点があります。
「伝言ゲームの罠」に陥らないようにする必要があります。
これについては、
次回の「社員全員がプログラミングを習得するコツとは?」
で詳しく説明します。
【補足】
ある会社の新入社員研修で、上記の方法を試してみました。
すると、新入社員同士が仲良くなるのが早かったです。
教えることが会話のキッカケになるのと、同じ目標に向って進むことで、団結力が生まれるからです。
数人の新入社員が協力して、一人の社員を教えている姿を何度も見ました。
私は最初の1人に教えただけで、あとは核分裂のように、プログラミングできる社員が、急激に、そして自然に増えていきます。