カスタマイズとは、ユーザー(利用者)が使いやすいように設定したり、作り変えることです。
システム開発のカスタマイズは、住宅で言えば、ちょうどリフォームに近いイメージです。
住宅は築年数が長くると、老朽化や、住んでいる人のライフスタイルの変化で、リフォームを考えるようになります。
リフォームは、窓やドアを取り替える程度の簡単なものから、間取りを変える、水回りの設備を新しくする、バリアフリーに対応させるなど、大掛かりなものまで様々です。
さらに、リフォームで間に合わない場合は、家の建て替えを考えるようになります。
システム開発も同じです。システムは使っているうちに、カスタマイズしたい部分が出てきます。
システムを使いやすく改良したり、機能の追加、処理の効率化など、さまざまなカスタマイズがあります。
自分でプログラミングしたシステムなら、カスタマイズは比較的簡単です。
また、リフォームとは異なりますが、新築の家にもカスタマイズがあります。
例えば、ローコスト住宅というものです。ローコスト住宅では、標準仕様が決められています。
標準仕様の範囲では、安く建築することができます。あとは顧客の要望に合わせてカスタマイズしていきます。
コストを安くするには、「標準仕様がある」ことがポイントです。
システム開発も同じで、基本となるシステムがあれば、カスタマイズはそれほど難しくありません。ゼロからシステムを作るよりは、ずっと楽です。
基本となるシステムがしっかりしていれば、カスタマイズは簡単です。
では、システム開発の場合、標準仕様は、何になるのでしょうか?
私は、業務系システム(業務アプリケーション)に限って言えば、「売上伝票」が適していると思います。
どんな会社も存続するためには、利益を出さなければなりません。利益を出すためには、売上が必要です。
そのため、最も基本となるのが、売上伝票です。
しかも売上伝票を学ぶ過程で、リレーショナルデータベースの基本や、伝票と明細の関係が学べます。
だからシステム開発の標準仕様としては、売上伝票がおすすめなのです。
まずは売上伝票を題材に、基本となる業務システムを作れるようになりましょう。その後は、あなたの目的に合わせて、システムをカスタマイズするだけです。
売上伝票を作る経験をすれば、他の業務システムは、大体自分で作れるようになります。
売上伝票に関しては、システム開発実践講座
で詳しく解説しているので、よかったらご覧ください。
【ワンポイント】
家の建て替えのように、システム開発でも、改良やカスタマイズするより、ゼロから作り直したほうが早いことがあります。
例えば、まったく異なるシステムを作る場合などです。
他には、使用していたOSのサポートが終了したり、アプリケーションが、新しいOS上で動作しない場合などもそうです。
また、元のシステムに欠陥が多い場合や、プログラムが整理されていない場合も、人の書いたプログラムを解読するより、作り直したほうが早いことがあります。