あなたがプログラミングを習得した場合のメリットを、あらかじめ考えておくことで、途中で挫折しそうになった時、モチベーションを維持することに役立つと思います。
プログラミングができることの価値を計算するには、いろいろな考え方があります。
【プログラマーの市場価値】
通常、システム制作会社に見積もりを依頼すると、見積書には「工数」とか「人月」という表現がよく使われます。システムを開発する工程を、設計、制作、テストなどに分けて、延べ何人のプログラマーが必要かを計算します。
例えばプログラマー1人が1ヶ月間かかる作業なら、「1人月」と見積もります。そして1人月当たりの価格をかけたものが、システム開発の費用となります。
システム制作会社といっても、個人事業から大手の会社まで様々です。最近は1人月「80万円~」が相場のようです。もちろん会社によって違うし、地域によっても違います。プログラマーの需要と供給のバランスで変動することもあります。
この「人月」の価格は、顧客が支払うトータルの金額になるので、開発費だけでなく、営業や経理などの費用、会社の利益も含んでいます。したがって80万円がそのままプログラマーの価値となるのではなく、プログラマーの給与がそんなに高いわけでもありません。
ただシステム制作会社にとって、顧客に見積もりを出す時の根拠として、対外的にプログラマー1人の市場価値は80万円になるということです。
【プログラマーとして就職した場合の価値】
もしあなたがプログラマーとして、就職する場合の経済的な価値は、給与ということになります。
プログラマーの初任給は、ハローワークの「求人情報検索」で調べることができます。プログラマーで検索してみてください。
ハローワークインターネットサービス
プログラマーは、首都圏では仕事が多くて給与も高く、地方では低くなります。この点はどの業種も同じようなものです。首都圏で受注したシステム開発の仕事を、地方の会社が下請けで制作していることも多いです。
【自社内でシステムを制作できる価値】
あなたがプログラミングを習得すると、自社内のシステムを制作できるメリットが生まれます。
例えばあなたの勤める会社が、システム開発を外注することになったとします。前述したように、プログラマー1人に、1ヶ月間かけてシステムを作ってもらったら、単純計算で80万円の費用が発生します。もしあなた自身がシステムを作れるのなら、この費用をゼロにできます。
もちろんシステム制作会社の経験豊富なプログラマーほどは作れないと思います。しかしプログラミング言語やデータベースに適切なものを選択することで、それなりのシステムは制作できます。
経験の浅いプログラマーでも、20万円相当のシステムは作れると思います。1年間で考えると、自社開発できるメリットは相当なものになります。
また最終的には外注するにしても、プロトタイプ(試作モデル)を自社開発できる人材を社内に育てることは重要です。
システムは使ってみると修正したい部分や、追加したい機能が出てくるものです。しかし開発を外注していると、予算の関係などもあり、簡単には変更することができません。
自社で開発できると手軽に修正できるので、問題点を改良し、ある程度形になってきた頃に、本格的に外注を考えるという方法もあります。
プロトタイプで十分ならそのまま使い続け、機能、負荷、セキュリティ、バックアップなどの課題が発生しそうなら、システム制作会社に依頼してもよいでしょう。
その段階では、実現したいことも明確なので、システム制作会社に「こんなシステムを」と正確に要望を伝えることができます。そうすると「イメージしていたものと違う」というリスクも小さくなります。
【自分で使うシステムを自作できる価値】
自社システムを作るという程ではないけれど、自分の仕事の範囲のシステムを自作できたり、休日に趣味と実益を兼ねてプログラミングできる価値は、とても大きいです。
自分のために作るシステムは、金額的な計算が難しいところですが、仕事が楽になったり、速く処理できるようになります。
また最近では、 Amazon などのWebサービスを利用して、オリジナルのネットショップを作り、利益を得ることも可能です。
このように、あなたがプログラミングを習得した場合のメリットは非常に大きいのです。挫けそうになった時には、ぜひ読み返してください。